金利・物価上昇時代の地方不動産投資。これからは「地方都市の中心地」を買う
不動産投資を取り巻く環境が、大きく変わりつつあります。
これまでの日本では、低金利を背景に「できるだけ低い金利で借りて、できるだけ高い利回りの物件を買う」という投資戦略が成り立ちやすい環境でした。
しかし現在は、金利も物価も上昇する時代に入っています。
日本銀行は2026年6月に短期政策金利の誘導目標を1.0%程度とし、今後も経済・物価情勢に応じて金融緩和の度合いを調整していく方針を示しています。
これから重要になるのは、将来的に家賃を維持・上昇させられる物件を買うことです。
①地方不動産は「高利回り」だけで選ばない
地方都市には、都市部と比べて高い利回りで購入できる物件が数多くあります。
例えば、大都市圏では築古の収益物件でも利回りがそれほど高くない一方、地方都市では8%、9%、場合によっては10%を超える物件もあります。
一見すると非常に魅力的です。
しかし、ここで注意したいのが「なぜ利回りが高いのか」ということです。
・人口が減少している。
・賃貸需要が弱い。
・空室が長期化している。
・家賃を下げないと入居が決まらない。
・修繕費がかかる。
こうした理由で価格が安くなり、結果として利回りが高くなっている物件もあります。
つまり、高利回り=良い物件ではありません。
重要なのは、その利回りが「将来も維持できる利回りなのか」を考えることです。
②これから狙いたいのは「地方都市の中心地」
では、地方不動産でどこを買えばいいのでしょうか。
私は、地方都市の中でも中心地にある物件を狙うことが重要だと考えています。
地方都市では人口が減少しているケースも珍しくありません。
しかし、人口は市全体で均等に減少するわけではありません。
駅周辺、商業施設、病院、学校、行政施設、金融機関、飲食店などが集まる中心部には、人が集まり続けます。
また、地域の雇用を支える工場や工業団地へのアクセスが良い場所も、賃貸需要が残りやすいでしょう。
つまり、
「その市の人口が減っているか」
だけを見るのではなく、
「その物件があるエリアに、今後も人が住み続ける理由があるか」
を見る必要があります。
③なぜ中心地の物件は家賃を上げやすいのか
これからの不動産投資で、非常に重要になるのが「家賃を上げられるか」という視点です。
物価が上昇すると、大家側の負担も増えます。
修繕費、設備費、人件費、清掃費、管理費など、さまざまなコストが上昇します。
さらに金利が上昇すれば、借入金の返済負担も増えていきます。
その一方で、家賃が何年経っても変わらなければ、収益性は徐々に悪化していきます。
だからこそ、賃料を維持・上昇させられる物件を持つことが重要になります。
中心地の物件には、その可能性があります。
例えば、同じ市内でも、
- 駅に近い
- 商業施設が近い
- 病院や学校が近い
- 主要道路へのアクセスが良い
- 工業団地や主要企業への通勤がしやすい
といった物件は、多少家賃が高くても選ばれやすくなります。
逆に、周辺に何もない郊外の物件では、競合物件が増えたり人口が減ったりしたときに、家賃を下げることでしか入居者を確保できなくなる可能性があります。
この差は長期的な不動産投資において非常に大きなものになります。
④「人口減少=地方不動産は危険」ではない
地方不動産について語るとき、「人口減少」が大きなリスクとして取り上げられます。
もちろん、人口減少は無視できない重要な要素です。
しかし、人口減少だけで投資判断をするのも危険です。
例えば、人口10万人の地方都市が20年後に8万人になったとしても、その2万人が市内のどこから減少するのかは分かりません。
中心部に人が残り、郊外から人口が流出するのであれば、中心部の賃貸需要は相対的に強くなる可能性があります。
つまり地方不動産では、
「人口が増える場所を買う」
だけではなく、
「人口が減っても人が集まり続ける場所を買う」
という考え方が重要です。
⑤金利上昇時代だからこそ「余裕のある利回り」が重要
もちろん、立地が良ければ何でもいいわけではありません。
金利が上昇する局面では、購入価格も重要です。
例えば、表面利回り5%の物件を高い借入比率で購入するのと、地方都市の中心地にある築古物件を8〜10%程度の利回りで購入するのでは、金利上昇に対する耐性が大きく異なります。
だからこそ、
「良い立地」×「十分な利回り」
の両方を狙うことが重要です。
単純に「一番利回りが高い物件」を探すのではありません。
中心地で賃貸需要があり、なおかつ価格が適正で、金利が上昇してもキャッシュフローが残る。
そうした物件を選ぶことが重要になります。
これからの地方不動産投資で見るべきポイント
地方都市の物件を購入するとき、私は少なくとも次のような点を確認するべきだと考えます。
① そのエリアに住み続ける理由があるか
駅、商業施設、病院、学校、行政施設、企業など、賃貸需要を生み出すものを確認します。
② 周辺の家賃相場に上昇余地があるか
現在の家賃が周辺相場と比べて安いのであれば、将来的な賃料改善の余地があります。
③ 競合物件が多すぎないか
新築アパートが大量に供給されているエリアでは、家賃競争になる可能性があります。
④ 金利が上がってもキャッシュフローが残るか
現在の金利だけでなく、金利上昇後の返済額まで想定して購入価格を決めることが重要です。
⑤ 修繕費を含めても十分な収益が残るか
地方の築古物件では、購入後の修繕費まで考えて利回りを見る必要があります。
まとめ
これからの不動産投資は、これまで以上に「物件選び」が重要になると考えています。
金利が上昇すれば、借入コストは増えます。
物価が上昇すれば、修繕費や管理コストも増えます。
だからこそ、単純に「安く買う」「高利回りを買う」だけではなく、将来的に収益を維持・改善できる物件を買うことが重要です。
その一つの答えが、地方都市の中心地にある収益物件だと考えています。
地方都市は、大都市圏と比較すると物件価格が安く、高い利回りを確保できるケースがあります。
その中でも、駅や商業施設、病院、学校、企業、工業団地などが集まる中心エリアであれば、人口減少局面でも相対的に賃貸需要が残りやすい。
そして、需要がある場所だからこそ、将来的に家賃を維持したり、周辺相場に合わせて引き上げたりする余地も生まれます。
「地方だから高利回り」ではなく、「地方の中心地だから高利回りで、なおかつ家賃を維持・上昇させられる」。
これからの金利・物価上昇時代には、こうした物件を見つけることが、地方不動産投資の重要な戦略になるのではないでしょうか。